著者
岡本 章秀 池田 廣 須藤 憲一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.270-272, 2006-05-15
被引用文献数
1

常緑性ツツジ(種子親)と,キレンゲツツジ(花粉親)との交雑について,花粉親として優れる交雑母本の選定を試みた.キンゲツツジ個体間の各交雑阻害原因および交雑能力の変異を調査するため,キレンゲツツジ9個体の花粉を供試し,マルバサツキ1個体に交雑した.その結果,受精率,種子数/果,白子率,生存率および交雑能力について,キレンゲツツジ個体間に有意差が認められた.キレンゲツツジ遺伝資源番号27026136および27026139を用いた交雑では他を用いた場合に比べて,交雑花当たりの生存可能な実生数が多かった.以上から,花粉親に用いるキレンゲツツジ個体を選定することは,常緑性ツツジ×キレンゲツツジの実生獲得において重要であることが示唆された.