著者
井手 博文 野中 健史 藤木 達雄 佐藤 政弥 遠藤 英仁 須藤 憲一
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.332-336, 2000-05-15
参考文献数
13

PCPS装着時に, 左室後負荷軽減の為に併用される経大動脈弁的左室ベントカテーテルの挿脱着が可能な, 新しいIABPカテーテルを開発し, 臨床応用に向けて評価を行った。対応するベントカテーテルはthin wall, 外径12F, 全長95cm, テフロン製。IABPカテーテルの構造として, 容量35ccバルーンおよびバルーンガス給排管としてのカテーテル (外径7F, 全長65cm) に加え, 左室ベントカテーテルが通過可能な, 全長約20cm, 外径5mm, ポリウレタン製の挿通管を, バルーン部のみに有し, その先端にベントカニューラ抜去後閉鎖するシリコンゴム製弁を有する。ベントカテーテルは, 同挿通管を介して, 経大動脈弁的に左室に挿入される。ベントカテーテル操作向上の為, 同挿通管内面をシリコンコーティングすることにより, 滑り抵抗は約1/2に軽減した。ベントカテーテルは, モック試験にて, 最大流量, 約600m1/minが可能であった。
著者
高橋 直子 布川 雅雄 今村 健太郎 細井 温 須藤 憲一 増田 裕 森永 圭吾 藤岡 保範
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.487-493, 2010-04-25 (Released:2010-04-26)
参考文献数
27
被引用文献数
11

【目的】腹部内臓動脈瘤は稀な疾患であるが,破裂した際には死に至ることも多い極めて重篤な疾患である.そのため早期発見と確実な診断が必要であり,今回われわれは,当該病変に対する治療方針を検討した.【対象・方法】2005年3月から2008年10月に当院で内臓動脈瘤と診断された30例(男性21例,女性9例)30瘤を対象とし,発生部位や治療方法,経過についてまとめた.【結果】内訳は脾動脈瘤13例,膵十二指腸動脈瘤5例,腹腔動脈瘤5例,上腸間膜動脈瘤4例,肝動脈瘤3例であった.治療は経過観察17例,塞栓術10例,開腹手術3例であった.当科での侵襲的治療の適応基準は瘤径が2 cm以上,破裂,仮性瘤,拡大傾向,腹痛等の有症状,膵十二指腸動脈瘤,胃十二指腸動脈瘤,上腸間膜動脈分枝の瘤とし,末梢の動脈瘤では血管内治療を第一選択とした.経過観察症例では観察期間は約2カ月から3年9カ月であったが,経過不明1例,他疾患での死亡1例を認めたが,その他15例では瘤の拡大を認めることなく経過した.塞栓術,開腹手術症例では術後観察期間は約1カ月から4年で,破裂症例の2例で一過性の十二指腸狭窄を認めたが,その他では重篤な合併症や手術死は認められなかった.【結論】低侵襲な血管内治療を第一選択とし,瘤の占拠部位や大きさ,再建の必要性に応じて開腹手術を考慮すべきである.われわれの治療成績は緊急症例も含め良好であり,経過観察症例でも治療に移行した症例はなく,当科の腹部内臓動脈瘤に対する侵襲的治療の適応基準は妥当と考えられた.
著者
岡本 章秀 池田 廣 須藤 憲一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.270-272, 2006-05-15
被引用文献数
1

常緑性ツツジ(種子親)と,キレンゲツツジ(花粉親)との交雑について,花粉親として優れる交雑母本の選定を試みた.キンゲツツジ個体間の各交雑阻害原因および交雑能力の変異を調査するため,キレンゲツツジ9個体の花粉を供試し,マルバサツキ1個体に交雑した.その結果,受精率,種子数/果,白子率,生存率および交雑能力について,キレンゲツツジ個体間に有意差が認められた.キレンゲツツジ遺伝資源番号27026136および27026139を用いた交雑では他を用いた場合に比べて,交雑花当たりの生存可能な実生数が多かった.以上から,花粉親に用いるキレンゲツツジ個体を選定することは,常緑性ツツジ×キレンゲツツジの実生獲得において重要であることが示唆された.