著者
岡村 金藏
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
燃料協會誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.9, no.98, pp.一二六五-一二八三, 1930-11

撫順炭層の直上に五四億噸餘の油母頁岩存在し露天掘採炭法に依り剥離すべき頁岩量三億二千三百萬噸にして其六〇%は採油率平均六%にして工業原料とするに足る、南滿洲鐵道株式會社は之が利用に就き大正十年以來各種の乾餾法を調査研究せる結果撫順式と稱する獨特の方法を發明し二箇年間五〇噸能力の試驗爐に依りフルサイズ・テストを施行し其成績良好なるに鑑み更に昭和三年一月資金一千萬圓を投じて日額四、〇〇〇噸を處理し併せて粗油蒸溜、石蝋抽出工場建設に決し同年四月起工翌四年十二月竣工作業開始せり、なほ目下第二期擴張工事に就き研究中なり