著者
岡田 いずみ
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.287-299, 2007-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
24
被引用文献数
2

学習者の学習意欲を高めることは難しい。本研究は, 学習者の学習意欲を高めるために介入研究を行い, その効果を検討したものである。学習意欲と関連の深いものに学習方略がある。学習意欲と学習方略の関係については「意欲があるから方略を使う」という見方がなされることが多かった。それに対して, 本研究では「方略を教授されることで意欲が高まる」という仮説の下, 介入を行った。対象は高校生であり, 内容は英単語学習であった。英単語学習のなかでも, 特に体制化方略を取り上げた。研究1では授業形態で介入を行った結果, 学習方略の教授により, ある程度は学習意欲が高まったことが示されたが, 十分とは言えなかった。そこで研究2では, 方略の学習がより確実なものになるよう, 教材を改訂し, 介入を行った。また, 研究2では, 個人差を捉えるために検討項目として, 方略志向という学習観と, 英単語に対する重要性の認知が学習意欲の変化に及ぼす影響を検討した。その結果, 方略志向の高低や, 英単語に対する重要性の認知にかかわらず, 学習意欲が高まったことが確認された。
著者
岡田 いずみ
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.287-299, 2007-06-30
被引用文献数
1

学習者の学習意欲を高めることは難しい。本研究は,学習者の学習意欲を高めるために介入研究を行い,その効果を検討したものである。学習意欲と関連の深いものに学習方略がある。学習意欲と学習方略の関係については「意欲があるから方略を使う」という見方がなされることが多かった。それに対して,本研究では「方略を教授されることで意欲が高まる」という仮説の下,介入を行った。対象は高校生であり,内容は英単語学習であった。英単語学習のなかでも,特に体制化方略を取り上げた。研究1では授業形態で介入を行った結果,学習方略の教授により,ある程度は学習意欲が高まったことが示されたが,十分とは言えなかった。そこで研究2では,方略の学習がより確実なものになるよう,教材を改訂し,介入を行った。また,研究2では,個人差を捉えるために検討項目として,方略志向という学習観と,英単語に対する重要性の認知が学習意欲の変化に及ぼす影響を検討した。その結果,方略志向の高低や,英単語に対する重要性の認知にかかわらず,学習意欲が高まったことが確認された。
著者
麻柄 啓一 岡田 いずみ
出版者
日本教授学習心理学会
雑誌
教授学習心理学研究 (ISSN:18800718)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.12-22, 2006 (Released:2017-10-10)
被引用文献数
4

中学校の理科では,とつレンズで光を集めるとその光を発した物の像ができることが扱われているが,大学生であってもこのルールを把握している者が少ないことが先行研究からわかっている。教科書を検討すると,光源の位置の変化に伴って像のできる場所や大きさがどのように変化するかが強調されている。このような扱いによって,「像ができる」というルール自体が把握されにくくなっている可能性が考えられる。調査1では大学生を2群に分けて,グループ1に対しては像ができること自体を強調し,グループ2に対しては像のできる位置と大きさを強調した。事後の標的問題での正答率はグループ1の方が高かったが,その値自体は十分高いものではなかった。調査2では,さまざまな光源を用いた場合の光の道筋とスクリーンにできる像を描くことを被験者に求め,さらにルールも強調した。しかし標的問題での正答率は上昇しなかった。調査3では,調査2の被験者に対して,なぜこのルールを標的問題で用いなかったのかを質問した。その結果,彼らの誤解がいくつか明らかになった。これらの結果に対して,授業の改善の観点から考察を加えた。
著者
麻柄 啓一 岡田 いずみ
出版者
日本教授学習心理学会
雑誌
教授学習心理学研究 (ISSN:18800718)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.12-22, 2006-06
被引用文献数
1

中学校の理科では,とつレンズで光を集めるとその光を発した物の像ができることが扱われているが,大学生であってもこのルールを把握している者が少ないことが先行研究からわかっている。教科書を検討すると,光源の位置の変化に伴って像のできる場所や大きさがどのように変化するかが強調されている。このような扱いによって,「像ができる」というルール自体が把握されにくくなっている可能性が考えられる。調査1では大学生を2群に分けて,グループ1に対しては像ができること自体を強調し,グループ2に対しては像のできる位置と大きさを強調した。事後の標的問題での正答率はグループ1の方が高かったが,その値自体は十分高いものではなかった。調査2では,さまざまな光源を用いた場合の光の道筋とスクリーンにできる像を描くことを被験者に求め,さらにルールも強調した。しかし標的問題での正答率は上昇しなかった。調査3では,調査2の被験者に対して,なぜこのルールを標的問題で用いなかったのかを質問した。その結果,彼らの誤解がいくつか明らかになった。これらの結果に対して,授業の改善の観点から考察を加えた。