著者
岡田 将太朗 奥野 拓
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2021-IS-158, no.5, pp.1-4, 2021-11-27

本研究の目的は,マインドフルネスを用いてスマートフォン依存症を容易に改善できる仕組みを実現することである.そのために,マインドフルネス認知療法を支援するスマートフォンアプリを構築する.本研究ではマインドフルネス認知療法の一種であるマインドを用いる.マインドは,出来事や思考に対する自身の感情を擬人化して扱う手法である.自身の感情を擬人化し客観的に観察することにより,その感情を引き起こした出来事や思考に対するストレスを軽減させるという効果がある.本研究にて構築したアプリでは事前にユーザに,依存しているアプリとそのアプリを制限したい時間帯を設定してもらう.その後,設定した時間帯に依存アプリを開いた場合にのみ,本アプリが自動的に起動する.ユーザはその際に浮かんできた思考や出来事を記入する.記入後,それらの思考や出来事に対する感情が推定されるため,その感情を観察することでマインドを行う.しかしながら,先行研究においてスマートフォン依存症者にスマートフォンを通じてマインドフルネス認知療法を行うことや,推定された感情を観察してマインドを行うことの有用性については検証されていないため,本研究では脳波や構築したアプリから取得するデータを用いて,それらの有用性についても検証を行う.