著者
岡部 多加志 小林 俊恵
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.71-76, 2006 (Released:2008-01-18)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

当院におけるアルツハイマー型認知症例に対する音楽療法について紹介した.軽度の認知症を伴ったアルツハイマー型認知症の患者10名(平均年令73.1歳)を対象として,小グループによる活動的音楽療法を1回60分,週2回のペースで6ヶ月間施行した.音楽療法終了後,異なった複数の評価方法を用いて効果の判定をした.音楽療法士による評価および高次大脳機能検査では,それぞれ半数以上の症例に改善効果を認め,お互いの判定結果には有意の相関性がみられた.ヘッドホーンを介しての音楽刺激によるデジタル脳波記録では,症例個々の好みの音楽に対するα反応性が良く,同時に好きな音楽を聴くことによりαリズムの速波化が認められた.
著者
小林 俊恵 岡部 多加志
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 = Journal of the Society of Biomechanisms (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.77-84, 2006-05-01
参考文献数
13

昨今,福祉や医療の現場に,治療あるいはリハビリテーションといった様々な目的で音楽療法が導入されている.それは音楽そのものの持つ特性が,人間を身体的・精神的・社会的に健康な方向へと導き整える働きを持っているからである.当院では進行性の神経難病であるパーキンソン患者に音楽療法を実施しその効果を科学的に証明する事ができたのでここに報告する.なお,このプロジェクトは患者の人的環境すべてがチームとなって生涯継続するものである.