著者
布下 裕基 曽山 明彦 福本 将之 原 貴信 丸屋 安広 松島 肇 今村 一歩 足立 智彦 日髙 匡章 金高 賢悟 岡野 慎士 江口 晋
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.19-24, 2024-01-01 (Released:2024-01-10)
参考文献数
11

2019年末に中国武漢で報告され,流行した新型コロナウイルス(以下COVID-19)感染症により,移植医療はレシピエントのCOVID-19感染,移植のための人の往来による感染伝播,移植後患者のCOVID-19感染のリスクなど様々な問題に直面した.実際に,それらの問題のため,COVID-19流行前の2019年と流行後の2020年以降2022年末までの臓器提供数,脳死肝移植症例数を比較すると,減少している.今回COVID-19感染下に発症した急性肝不全患者に対して,診断早期から多職種間,施設間で連携をとり,適切なタイミングで脳死肝移植を施行した一例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.