著者
布下 裕基 曽山 明彦 福本 将之 原 貴信 丸屋 安広 松島 肇 今村 一歩 足立 智彦 日髙 匡章 金高 賢悟 岡野 慎士 江口 晋
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.19-24, 2024-01-01 (Released:2024-01-10)
参考文献数
11

2019年末に中国武漢で報告され,流行した新型コロナウイルス(以下COVID-19)感染症により,移植医療はレシピエントのCOVID-19感染,移植のための人の往来による感染伝播,移植後患者のCOVID-19感染のリスクなど様々な問題に直面した.実際に,それらの問題のため,COVID-19流行前の2019年と流行後の2020年以降2022年末までの臓器提供数,脳死肝移植症例数を比較すると,減少している.今回COVID-19感染下に発症した急性肝不全患者に対して,診断早期から多職種間,施設間で連携をとり,適切なタイミングで脳死肝移植を施行した一例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
著者
今村 一歩 橋本 敏章 山口 泉 伊藤 裕司 古井 純一郎
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.596-601, 2014
被引用文献数
1

症例は78歳の女性で,意識消失のため近医に救急搬送され,低血糖発作と診断された.腹部造影CTと選択的動脈内カルシウム注入試験で,膵鉤状突起に径17 mmの単発性の腫瘤を認めインスリノーマと診断された.術前低血糖管理のためブドウ糖点滴を試みるも,認知症のため自己抜去を繰り返し管理困難であった.オクトレオチド皮下注射に変更したところ血糖値は100~250 mg/dlで推移し低血糖発作は認めなかった.術中造影超音波で腫瘍の局在を確認し,腫瘍核出術を行った.術後血中インスリン値は基準値内となった.インスリノーマによる低血糖症状に対してはブドウ糖点滴,経口摂取で対応がなされるが,認知症例では血糖管理困難な場合も存在する.オクトレオチド皮下注射は患者負担の軽減につながり,術前の低血糖管理に有用と考えられた.
著者
今村 一歩 川下 雄丈 古賀 直樹
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.119-123, 2013-06-25

症例は79歳、男性。不明熱にて精査中、腹部CT精査にて胃前庭部に高輝度線状陰影を認め魚骨穿通疑いにて当院紹介となった。明らかな腹膜刺激徴候なく準緊急的に腹腔鏡下精査を行った。検索すると胃前庭部前壁から線維組織とつながる形で長さ20mm程の魚骨に相当する白色線状物を認めた。魚骨の末梢のみが胃漿膜内に嵌入した状態であり、鋏にて漿膜を鋭的に切離し摘出を行った。穿通部位の胃壁漿膜筋層を縫合し周囲に膿瘍形成のないことを確認し手術終了した。術後経過は良好で術後8日目に退院となった。魚骨の消化管穿孔はしばしば不定な愁訴を来たし診断に苦慮する場合も存在する。腹腔鏡下アプローチは魚骨の存在診断と摘出を行える有力な治療選択肢の一つと考えられた。