著者
本江 昭夫 喜多 富美治 岩下 有宏 工藤 麻紀子
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 自然科学 (ISSN:09193359)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.197-201, 1996-06-26
被引用文献数
1

ムラサキモメンズル倍数体とそれらの雑種の形態の特徴を調査した。植物体を1993年には圃場で,1994年には温室で育成した。野生集団に比べて,栽培集団の方が,草丈,茎の直径,茎あたりの乾物重はあきらかに高かった。1葉あたりの小葉数は野生集団で13〜15枚であったが,それ以外の集団では20〜23枚であった。野生集団の2倍体より,それらの雑種の方が長い花序を持っていた。また,花の長さ,旗弁の幅,翼弁の長さ,小葉の長さ,花粉粒の体積において,5倍体の方があきらかに大きい値を示した。中国の2倍体と日本の4倍体について,同一の種として分類すべきと思われるが,今後さらに研究する必要があろう。