著者
竹井 仁 柳澤 健 岩崎 健次 富田 浩 齋藤 宏
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.294-299, 1993-09-01 (Released:2018-09-25)
被引用文献数
4

歩行速度と勾配の変化に関して,生理的コスト指数(Physiological Cost Index : PCI)と METSとの関係を検討した。対象は健常男性10名で,MacGregor等による1周30mの8字型平地歩行でPCIを測定した。またトレッドミルを用いた平地歩行,勾配歩行,Bruce法による連続歩行について各々PCIとMETSを測定し比較検討した。PCIと歩行速度との関係は,各負荷とも有意な相関を示した。同速度に対するPCIの値はトレッドミル平地歩行が最も低く,勾配歩行,Bruce法による連続歩行の順に高かった。PCIとMETSとの関係は,勾配歩行で最も高い相関(r = 0.87)を示した。臨床的にはPCIという簡便な方法を用いてエネルギー消費を間接的に推測出来るが,運動負荷方法によりPCIが異なるため,応用するには注意が必要である。
著者
竹井 仁 池田 由美 岩崎 健次 柳澤 健
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.97-102, 1998-12-18

目的:活動時心拍指数(以下BABI)から算出される、運動課題の難易度が最も低い歩行速度と、歩行距離1mあたりの酸素摂取量(以下Ed)から算出される最適歩行速度との間に関係があるかを検討した。方法:対象は健常男姓11名。運動課題は200m連続歩行とし、1周30mの8字型歩行路を用いた。運動課題の難易度は、被験者に任意に決定させた5種類の歩行速度とした。結果:BABIと歩行速度(以下V)は、BABI=0.0177V^2-2.5073V+148.188の二次方程式となった。BABIの最小値が55.7[beats]のとき、Vは73.7[m・min^<-1>]であった。一方、1分間あたりの酸素摂取量(以下Et)とVとはEt=6.194+0.001V^2の一次方程式となり、Et式の両辺をVで除すことでEd=6.194/V+0.001Vが得られた。Edの最小値が0.158[mlO_2・m^<-1>・kg^<-1>]のとき、Vは75.0[m・min^<-1>]となった。結論:Edが最小値となるときのVは最適歩行速度を示す。結果から、BABIの最小値から算出したVは、Edから算出した最適歩行速度に相当することが示唆された。