著者
端詰 勝敬 岩崎 愛 小田原 幸 天野 雄一 坪井 康次
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.303-308, 2012-04-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
22

広汎性発達障害は,他の精神疾患を随伴しやすいことが報告されている.しかし,摂食障害の随伴については不明な点が多い.今回,われわれは摂食障害と自閉性スペクトラムとの関連性について検討を行った.84名の摂食障害患者に対し,自己記入式質問紙による調査を実施し,健常群と比較した.摂食障害は,健常群よりも自閉性スペクトル指数(AQ)の合計点が有意に高かった.病型別では,神経性食欲不振症制限型が「細部へのこだわり」とAQ合計点が健常群よりも有意に高かった.摂食障害では,自閉性スペクトラムについて詳細に評価する必要がある.
著者
岩崎 愛一
出版者
二松学舎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

宇宙ダークマターの正体はいまだなぞである。また、宇宙物理学において、ガンマー線バースト、および、超高エネルギー宇宙線の起源に関しては、未だ解明されてはいない。ここでの理論研究では、その両者を解明するひとつの糸口として、この高エネルギー現象を説明する起源としてあるメカニズムを提唱した。それは、ダークマターであるアクシオンが重力的に集まり星となったアクシオン星と呼ばれるものと、中性子星との衝突である。その衝突で、アクシオン星は中性子星の強磁場の下で電磁波に転化し、それが中性子星の中で吸収され、結局、そこで蒸発してしまう。その結果、急速に開放されたエネルギーで、中性子星の外層(クラフト)が吹き飛ぶ。それが、ガンマー線バーストを発生させるもとになる粒子の風を生み出す。このメカニズムでは、その風の粒子は外層を構成していたもので、その全質量は太陽質量の10万分の一以下である。このことは、観測されるガンマー線バーストから、その起源を考えるとき要求されるものである。他のガンマー線バーストの起源も提唱されているが、この条件を満たすことが困難とされている。その点が、ここのメカニズムの利点である。ガンマー線バーストは以上であるが、そのとき仮定されていることが、中性子星の磁場の強さとして、10の12乗以下であることである。それ以上の磁場に対しては、アクシオン星は衝突前に崩壊してしまう。それはアクシオンが強磁場のもとで発生する強電場が、自発崩壊するためである。この電場で加速される荷電粒子は、超高エネルギー宇宙線として観測される10の20乗電子ボルト以上になるのである。これが、超高エネルギー宇宙線が発生するメカニズムとして私が提案したものである。両現象のエネルギースケールを説明するのに必要なアクシオン星の質量が、ちょうど銀河ハローに発見されたMACHOのそれに等しいことは注目に値する。