著者
岩本 淳一 本多 彰 宮崎 照雄
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

低栄養性脂肪肝の病態生理を明らかにするために,LC-MS/MSを用いた患者血清のメタボローム解析方法を開発した。それを用いて,しばしば低栄養性脂肪肝を合併するクローン病とシトリン欠損症の患者血清を分析した。クローン病ではLXRの活性化とFXRの不活性化により脂肪酸の合成亢進とβ酸化抑制が認められ,シトリン欠損症ではクエン酸の過剰供給による脂肪酸合成の亢進が観察された。以上のように,原因不明の脂肪肝の病態解明には,血液中代謝物のメタボローム解析が有効であると考えられた。