著者
中島 敏明 飯田 陽子 大沼 仁 岸田 信也 高野 治人 岩沢 邦明 永井 良三
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.542-548, 2006-05-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
28

男性は女性に比し,心房細動,心筋梗塞などに伴う心室頻拍,突然死などの発症が多く,一方,女性は,男性に比し,QT延長症候群(特発性,薬剤性)の発症が多い.これら不整脈の性差の機序については,現在でも不明な点が多いが,性ホルモンの心筋イオンチャネル,自律神経などへのgenomic,nongenomicな作用が複雑に関与していると考えられる.一方,不整脈治療においては,不整脈に対する直接効果を狙った下流に対する(downstream)治療とともに,近年では,その原因に追るアプローチである,より上流に対する(upstream)治療の重要性が注目されている.本稿では,不整脈の性差の発生機序につき,不整脈のupstreamおよびdownstreamへの性ホルモンの作用の点から概説する.