著者
北本 康則 菅井 久子 門間 弘道 石崎 允 高橋 寿 関野 宏 藪下 安紀 岩渕 国人
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.767-769, 1987

ウロキナーゼ固定化フェモラールカテーテル(UKFC)をblood accessとして56例に61回留置した。留置期間は平均14日間で、4例で1ケ月以上(30日、36日、93日、113日)であった。留置中のカテーテル閉塞が1例、カテーテル熱が4例であった。UKFC抜去時の残存UK活性は使用前の平均2.1%であった。<br>UKFC使用時の透析前後でplasminogen、α<sub>2</sub>-plasmin inhibitorの血中濃度は余り変化せず、出血傾向の助長も認めなかった。<br>4頭の山羊頸静脈にポリウレタンフェモラールカテーテル(FC)、UKFC、APMSF-UKFC (plasminogcn activator活性なし)を2日間留置した。抜去後の走査電子顕微鏡による観察では、FC表面には血小板の粘着を認めたが、UKFC、APMSF-UKFCには血小板の粘着を認めなかった。以上より、固定化UKはplasminogcn activator活性に依存しない血小板粘着阻止作用も有すると結論された。