著者
杉野 英治 岩渕 洋子 阿部 雄太 今村 文彦
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.4_40-4_61, 2015 (Released:2015-08-24)
参考文献数
28

2011年東北地方太平洋沖地震津波の発生及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、原子力発電所の津波リスク評価のためには、将来発生する津波の規模は既往最大を上回る可能性があることを前提とした、確率論的津波ハザード評価手法の高度化が必要である。同地震津波の発生以後、このような概念に基づく津波想定が提案されている。そこで、千島海溝から日本海溝沿いのプレート間地震に想定される津波波源を対象に具体的な適用方法と事例を示し、既往最大を基本とする従来の津波想定と比較することにより、津波想定に係る不確実さの取扱いが確率論的津波ハザード評価結果に及ぼす影響・効果を示す。