著者
藤沢 卓矢 岩見 直樹 寄能雅文 三浦 雅展
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.78, pp.161-166, 2008-07-30

ドラム演奏において正確なテンポ及び適切な強さで打叩するためには,ドラムスティックを制御する技術が必要である.ドラム演奏の練習において,ドラムスティックの制御を練習することを目的とした様々な演奏形態が存在し,そのような演奏形態において演奏される打叩パタンで用いられる奏法の一つにシングルストロークと呼ばれる奏法がある.シングルストロークはドラム演奏において最も単純かつ多用される奏法の一つである.これまでドラムスティックの制御に関する奏者の動作解析がドラムスティックの動作分析によって行なわれているが,奏者の生体的な情報を用いた解析はあまり行なわれていない.本研究では,筋肉が随意運動したときに発生する筋電位を表面筋電位として計測し,シングルストローク演奏時における奏者の腕及び手指の動作と演奏表現の関係について調査している.調査の結果,ドラム演奏者は十分なリラックスのもとに演奏を行なっていることが確認された.