著者
岩高 剛 橋本 良太 小川 均
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.367-368, 1996-03-06

コンピュータ・グラフィックス(CG)による顔の動画の通信を想定する場合,画面に出力された顔の表情や口の動きなどが自然に表現できれば,あたかも実際に人間と会話をしているかのような臨場感が期待できる.そのためには,表情や口の動きの自然な画像合成が必要である本論では,口の動きに着目し,発話における自然な口の動きの動画処理について考察する.口は発話時に,様々な形や大きさの変化が見られる.そこで,移動方向,強さ(速度),移動距離の相互関係を調べ,自然に動作を行なう一般化した軌跡モデルを構築する.この軌跡モデルを使用して,個人特有の情報を使用せずに自然な動作を表現させることを目的とする.対象としたのは,日本語の五母音であり,閉口状態から各々の母音を発声するまでの変化量,またある母音から他の母音へ(例えば「あ」から「い」へ)の変化量を測定し,特徴量を検出する.また,軌跡モデルを用いてCGの再現を行う.