著者
岸 孝彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.430, pp.127-134, 2005-11-17
被引用文献数
3

目的の信号帯域より広い帯域のRF信号をディジタル処理するソフトウェア無線機やディジタル無線機の広帯域フロントエンドは, ディジタル部での自在な周波数の選択を可能とする.これにより, 従来からソフトウェア無線の特徴とされている任意の変調方式への対応が容易になるばかりでなく, 複数の方式や複数のオペレータで周波数を共同利用するCommonsにおけるダイナミックなチャンネル選択と方式変更への対応も容易になる.この広帯域フロントエンドで信号レベルを管理するための自動利得制御は, 限られたダイナミックレンジを最大限に活用する為に, 従来の自動利得制御とは異なる仕組みが求められる.本稿で提案する自動利得制御は, ダイナミックレンジを低い歪で有効に活用する.さらに, 高速な応答特性を持つことから, 周波数と時間の両面での周波数利用効率の向上が望めることを示す.