著者
岸本 大輝 杉浦 巧 山田 悠司 栗原 聡
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2023-ICS-210, no.11, pp.1-7, 2023-03-03

コミュニケーションがオンライン中心となるリモートワーク環境では,意思疎通を通じたストレスの把握が行いにくい.そのため,業務を継続しながら実施できるリモートワーカーのストレス検知が重要となる.今回,この問題へのアプローチとして PC 操作ログ分析と表情分析に着目した.本研究では,リモートワークにおける PC 操作特徴量・表情分析による感情推定値とストレスの関係を明らかにすることを目的としている.まず,心拍センサ・PC 操作ログ取得プログラム・Web カメラからデータを取得して加工・統合の処理を行う環境を構築した.PC 操作ログに関しては,キーボード,マウス,ウインドウの操作ログを取得する.PC 上で行うタスクを設定した上で,疑似的にオフィスワーク及びリモートワークを実施し,データの取得を行った.実験で得られたデータの分析結果として,左クリックの回数や嫌気,悲しみの感情推定値がストレスの変化に関係していることが示唆されたが,どれも弱い相関であった.しかし,業務に慣れるまではリモートワークではなくオフィスワークを実施することでストレスが軽減するという,リモートワークを実施する上で重要となりうる知見が示唆された.
著者
栗原 聡 井原 史渡 岸本 大輝 吉田 直人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3I1GS5d04, 2021 (Released:2021-06-14)

COVID-19感染問題における感染拡散状況の把握と予測を行うため,SNSや報道データ分析と基本的に冪乗則に従う人の行動様式から独自の行動モデルを提案し,これを複雑ネットワークとして構築した実環境を模した移動ネットワーク上にて典型的な感染モデルであるSERIモデルにて感染拡散シミュレーションを実施した.その結果,提案モデルにて昨年からの感染状況の再現が可能であることが分かった.本稿では,さらに,このモデルによる,緊急事態宣言の効果やワクチンの接種率や摂取方法の効果についても考察する.