著者
吉田 直人 家澤 雅宏 西脇 和弘 髙橋 正樹
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.862, pp.17-00583, 2018 (Released:2018-06-25)
参考文献数
13

In recent years, an automatic collision avoidance system has been put into practical use by various automotive companies. In this study, we propose an automatic collision avoidance system for a four-wheel independent drive vehicle using the state-dependent Riccati equation. By designing the state-dependent weighting functions, a control gain is automatically determined, based on the relative relationship with a preceding vehicle and the system can properly perform automatic braking and automatic steering. Moreover, by updating the state-dependent linear representation obtained from a nonlinear vehicle model in each control cycle, we design a control system in consideration of a change in vehicle dynamics due to vehicle velocity. Therefore, this study verifies the effectiveness of the automatic collision avoidance system using the state-dependent Riccati equation. We compare the performance of the proposed method with constant weight cases. The simulation results show that the proposed method can automatically adjust the control gain and properly avoid a collision by braking and steering to change the relative relationship with a preceding vehicle.
著者
吉田直人 中谷友香梨 久保嶋健人 米澤朋子
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

本研究では、擬似的な肺を内包したぬいぐるみロボットを用いて、腹部の膨張収縮と呼気の排出を一体とした呼吸運動を提案する。腹部の膨張と呼気による触覚提示がユーザの安心感とぬいぐるみロボットの「生きている」感覚に与える影響を検証する。
著者
黄川田 翔 吉田 直人 佐野 千絵
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.74-81, 2016-02-01 (Released:2016-06-01)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

Illuminance and exposure time are controlled to avoid rapid deterioration of museum objects. However, it is possible that the effect of harmful ultra-violet rapiation and visible light on objects is evaluated incorrectly by integrated illuminance. In this report, an evaluation method for light exposure levels for museum objects is discussed. Exposure tests of textiles with different light sources were conducted, and the progress of deterioration of the textiles was evaluated with two different light exposure level indexes : integrated illuminance and effective radiant exposure. The results show that effective radiant exposure can be used to evaluate light exposure levels causing damage to textiles more accurately. Furthermore, this paper proposes a new method that corrects illuminance and integrated illuminance. The new method easily improves the precision of evaluating light exposure levels with conventional integrated illuminance.
著者
孟 曉順 吉田 直人 万 キン 米澤 朋子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.742-756, 2021

<p>本論文では,鳥肌,発汗,および震えを用いたロボットの皮膚上のクロスモーダルな生理的表現に関する検証を紹介する.人間や他の生物は生理的現象を介して随意的,不随意的な状態を示し,視覚的かつ触覚的表現が皮膚に現れる.特に,上記の3つの不随意表現を組み合わせることにより,感情の表現性と本能的感情の要素や強度に焦点を当てた.検証の結果,ロボットの恐怖感情は,3つの異なる不随意表現のうち1つのみで伝達できたことから,各モダリティの強い有効性による天井効果が起きた可能性がある.この皮膚上のクロスモーダルな生理的表現はロボットの生物感とその他の印象にも影響する.因子分析の結果,恐怖の要素として4因子が抽出された.各因子の標準因子得点の分散分析から,それぞれの因子の表現において3種の不随意な生理表現が有効であること,および少量の発汗と多量の鳥肌表現量の組み合わせにおいて煩慌性が高くなるなど,複数の不随意表現の量的組み合わせにより異なる効果が示された.</p>
著者
栗原 聡 井原 史渡 岸本 大輝 吉田 直人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3I1GS5d04, 2021 (Released:2021-06-14)

COVID-19感染問題における感染拡散状況の把握と予測を行うため,SNSや報道データ分析と基本的に冪乗則に従う人の行動様式から独自の行動モデルを提案し,これを複雑ネットワークとして構築した実環境を模した移動ネットワーク上にて典型的な感染モデルであるSERIモデルにて感染拡散シミュレーションを実施した.その結果,提案モデルにて昨年からの感染状況の再現が可能であることが分かった.本稿では,さらに,このモデルによる,緊急事態宣言の効果やワクチンの接種率や摂取方法の効果についても考察する.
著者
吉田 ナオト 吉田 直人
出版者
東京化学同人
雑誌
現代化学 = Chemistry today (ISSN:0386961X)
巻号頁・発行日
vol.457, pp.64-65, 2009-04

連載「微生物世界への旅」24
著者
北野 信彦 佐々木 良子 山田 卓司 本多 貴之 吉田 直人
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

現在、文化財建造物の漆塗装修理は極力日本産漆を使用が求められるとともに、漆塗料以外の塗装彩色修理には合成樹脂より伝統的な膠材料の使用が求められている。ところが日本産漆や膠材料の調達や使用量の算定、伝統的な金具の漆箔施工の仕様、さらには過去多用されたことが明らかとなってきた柿渋や固化不良が生じやすい乾性油系(油彩系)塗料の伝統的な仕様には不明な点が多い。本研究では文化財建造物における伝統的な塗装彩色材料・技術の系譜の解明と再評価をまず行う。そのうえでこれらの材料・技術を修理に応用した際の施工や保守管理方法の策定、3D技術を応用した復元彩色欄間の作成を資料活用として提示することなどを目的とする。
著者
矢部 修平 吉田 直人 進藤 斉 角田 潔和 葉坂 勝 小泉 武夫
出版者
土壌微生物研究会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.109-115, 2006
参考文献数
20
被引用文献数
1

本研究では,衛生的なコンポストを生産するには発酵初期の急激な品温上昇が重要であると考え,良好に発酵が立ち上がる高温コンポスターのミクロフローラを把握することを目的とした。発酵初期の温度上昇に伴うミクロフローラの変化を経時的に解析した結果,深層から品温上昇が始まり,生菌数がほぼ一定であったにも関らず,44〜52℃(0〜4時間後)および72〜80℃(6〜20時間後)にかけてフローラが大きく変動した。この期間に原料由来の腸内細菌や大腸菌群は淘汰された。72℃から80℃(6〜20時間後)にかけての優占菌の変動を16S rDNAライブラリー法を用いて解析した結果,Bacillus属からGeobacillus属へ遷移することが明らかとなった。さらに発酵2日後には,表層から深層まで80℃以上に達し,表層と深層ではGeobacillus属,中層ではThermus属が優占した。このように,深度別に特徴的なフローラが形成された。このことから,200cmと深く堆積することにより好熱菌の多様性を高めていると推察した。
著者
孟 曉順 吉田 直人 万 キン 米澤 朋子
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.235-250, 2020-08-25 (Released:2020-08-25)
参考文献数
33

In this paper, we investigate a communication robot that can shows involuntary expressions appearing on its skin such as goose bumps and perspiration to explore the possibility of instinctive reactions of the robot. In communication with others, humans express not only feelings that can be recognized and expressed intentionally, but also instinctive emotions due to physiological reactions that appear reflective and involuntarily before intentional control. The human-robot communication based on the robot’s internal state may become realistic by the expressions of instinctive fear, tension, and relaxation. We verified the effectivenesses of the robot’s expressions of a) goose-bump-like emboss and b) perspiration-like water particles with the testbed robot.
著者
平野 孝行 吉田 直人 土橋 聖賢 藤井 二三夫 金澤 伸一
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.135-142, 2013 (Released:2014-11-06)
参考文献数
10
被引用文献数
3

建設発生土の高度な有効利用を図る目的で開発された短繊維混合補強土工法は,土または安定処理土にポリ エステル等の短繊維を混入することで降雨・流水に対する耐侵食性や強度・靭性(ねばり強さ)の向上に期待 するものである.これまでに堤防・法面のガリ侵食等による崩壊抑制のための試験施工としての実績がある. 本報告は,堤防・道路等法面の被覆材,多自然型法面の基盤構築,土構造物補強等へのさらなる有効利用の ために,より短繊維および固化材添加率の低い混合補強土の耐侵食性能や,強度・変形特性についてとりまと めたものである.長期現場試験施工に基づく耐侵食性能の検証と,静的圧縮試験・繰り返し三軸試験により強 度増加効果と靭性・拘束効果の付与を確認した.
著者
高妻 洋成 降幡 順子 脇谷 草一郎 福永 香 佐野 千絵 吉田 直人 犬塚 将英 小川 雄一 大谷 知行 林 伸一郎 水野 麻弥
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

ミリ波およびテラヘルツ(THz)波を用いた文化財の非破壊非接触診断技術の開発研究をおこなった。THz波については種々の材料のTHz分光スペクトルを取得し、材料分析のための基礎データを作成した。彩色文化財に対してTHz波イメージングおよびミリ波イメージングを応用するための基礎実験をおこなうとともに、木製彩色文化財および漆喰壁画に対してイメージングを実施した。ミリ波およびTHz波は文化財の表層にある程度侵入して、その内部構造を可視化することが可能である。さらにTHzイメージングでは、パルス波を用いることで、時間領域分光法により断面構造や任意の深さにおける平面的なイメージングも可能である。障壁画などの彩色層下にあってある程度の厚みをもつ下地漆喰などの状態や表具や額装などの絵画の構造について、従来、得ることのできなかった情報を非破壊で知ることが可能となった。
著者
鼻崎 将 古森 光 吉田 直人 米澤 朋子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-4, 2015-01-07
被引用文献数
1

本稿では,壁面へのプロジェクションを用いて,ユーザの歩行状態を判定したうえで,その前方に提示され続ける移動広告システムを提案する.また,背景との相対速度による浮き彫り効果を考慮し,背景画像をユーザの進行方向と逆方向に進めることとした.このことで,広告をより目立たせ,さらに広告の世界観とスピード感を与えることを狙う.このシステムを用いることで,広告への注意をひきつけ,さらに,ユーザの歩行速度変化や方向転換に応じた広告提示位置の内容の変容など,広告とのインタラクションに多様性をもたらすことが期待される.
著者
吉田 直人
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

クリソタイルは天然に産出する水和ケイ酸塩粘土鉱物で、針状の結晶として成長する。多くの工業製品に利用されていが、人が長期間にわたって吸入するような機会に遭遇した場合、健康影響が懸念されている。本研究ではクリソタイルと細胞との間にどのような相互作用があるのか、細菌細胞を用いて明らかにした。溶液中で大腸菌とクリソタイルを混合するのみでは、クリソタイルは大腸菌の生育になんら影響を及ぼさない。ところが弾性体上にて曝露させると大腸菌とクリソタイルに物理的変化が生じることがわかった。寒天等の弾性体上にてクリソタイルと共に曝露させる方法を考案し、曝露装置を開発して実験に供したところ、曝露時間が長くなるに従って生細胞は漸次減少した(弾性体曝露)。曝露後の大腸菌を電子顕微鏡にて観察すると、クリソタイルの細胞膜への穿刺が確認された。本実験条件においてクリソタイルは細菌に対しては変異原となるのではなく、ミサイルのように穿つといった物理的で性急な反応をもたらすと結論づけた。クリソタイルにプラスミドを付着させ、大腸菌をクリソタイルと共に弾性体曝露させたところ10^7/μg DNAの効率でプラスミドを取り込んで、抗生物質耐性に形質転換することを見出した。クリソタイルは溶液中では6-9μmの凝集体あるいは、さらに細かい針状結晶として浮遊している。曝露の過程では、曝露時間に伴って水分が弾性体中に浸透していくので、クリソタイルの濃度が弾性体表面では上昇する環境が生まれる。この過程でクリソタイルは自己凝集し、栗のいが状になることが判明した(いがぐり状化凝集)。その時にすべり摩擦力が同時に加えられので、細菌を付着したいがぐりが滑っていくような物理現象を明らかにした。これら一連の研究において、すべり摩擦力を利用した生物工学の概念を創出し、摩擦生物工学として新たな研究分野を切り開いた。
著者
吉田 直人 中山 実 清水 康敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.713, pp.23-30, 2000-03-17
被引用文献数
2

文章表現による理解の違いを調べるために, 様々な表現の文章を提示し, 内容に関する問題に解答させた.その際の正答率と解答時間によって, 表現による違いを比較した.その結果, 内容表現が一つである文は, 複数の内容を含む文より, 解答時間が有意に短いことを明らかにした.また, 接続助詞「が」を逆接の意味で用いた場合は, 文章前半部の正答率が後半部よりも有意に低いことを示した.また, 誤解を避けるためや, 内容の切れ目だけでなく, 接続詞のあとや, 息の切れ目などにも読点を使用した方が, 理解しやすいことを明らかにした.この結果をもとに, 効果的な文章表現を支援するためのツールを開発した.主観評価により, ツールが文章改善に有用であることを明らかにした.
著者
谷津 三雄 山口 秀紀 落合 俊輔 吉井 秀鑄 石橋 肇 渋谷 鉱 馬渡 亮司 坂本 嘉久 吉田 直人 吉村 宅弘 米長 悦也
出版者
日本大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

「東西医学融合」の観点から歯、顎、口腔領域における東洋医学療法の基的的並びに臨床的研究を行うことを目的として本研究を企図し、次に述べる項目について検討を加えた。1.基礎的研究(1)脳波から見た鍼灸の効果・針刺激は大脳皮貭の広範囲な部位に作用しB波帯域の減衰と日波およびの波帯域が増大することから、針刺激は心身のリラックスと精神の集中効果が期待される。また、効果時間は比較的早く出現(10〜15分)することも確認できた。(2)針麻酔の効果判定に関する研究:パルス(低周波)通電器の最適刺激量,低周波通電時と笑気吸入鎮静法の鎮痛効果の比較,ソフトレ-ザ-の疼痛閾値へ及ぼす影響ならびにその効果についてサ-モグラフィを用いて観察した。その結果、パルス通電量には「通刺激」量のあること、通電針麻酔と10%笑気吸入との併用は20%笑気吸入鎮静法と同程度の鎮痛効果のあることがわかった。また、ソフトレ-ザ-の照射は断続照射よりも連続照射が効果があり、一側の合谷の照射は反対側の合谷の皮膚温をも上昇させ経絡現象の一端を思わせた。2.臨床的研究(1)咬合異常関連疾患への鍼灸療法の応用(2)全身麻酔後の咽喉頭障害への応用(3)歯科領域への鍼灸および漢方療法の応用について研究した。(1)については貭問紙法による「愁訴」の改善効果と顎関節痛と開口障害の改善が著明であった。(2)において「嗄声」への著効を示した。(3)の項目では、急性開口障帰,特発性三又神経痛、アフタ性口内炎に対する刺絡療法,葛根湯の効果,針麻酔による下顎骨骨折の治療,咽吐反射の抑制などに応用しその効果が確認された。