- 著者
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河村 あゆみ
田中 正之
牛嶋 隼也
中井 壱
峯口 祐里
福田 健二
浦島 匡
- 出版者
- 日本酪農科学会
- 雑誌
- ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.1, pp.44-48, 2019 (Released:2019-04-26)
- 参考文献数
- 10
京都市動物園で出産した飼育したキリン個体より,各種の泌乳時期の乳の回収をおこない,成分組成を分析した。分娩後55日の常乳における成分組成は以下のとおりであった;1.8%炭水化物,8.7%脂質,7.0%タンパク質,1.1%灰分。これらの値は牛乳の成分組成と比べたとき,脂質とタンパク質の濃度は高い一方で,炭水化物の濃度は低かった。乳の固形分濃度は分娩後66日で急速に低下していたが,これはキリンの固有の特徴と考えられた。この固形分濃度低下は,この時期に仔が母乳を摂取しながら固形食(カシ,ネズミモチなどの葉)の同時摂取を開始することとの関連が示唆された。これらは,キリンの仔に代用乳を摂取させなければならないケースにおいて,貴重な情報になるであろう。