著者
高田 英俊 峯岸 克行
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.15-19, 2010 (Released:2010-02-28)
参考文献数
14
被引用文献数
2

高IgE症候群は,乳児期早期から始まる難治性湿疹,反復性黄色ブドウ球菌感染症(皮膚,肺,関節,軟部組織など)によって特徴づけられ,高IgE血症を示すまれな原発性免疫不全症である.これらの症状以外に,顔貌異常,易骨折,側彎,関節過伸展,乳歯脱落遅延などを呈することも多く,multisystem diseaseの病像を呈する.この優性遺伝形式をとる高IgE症候群に加えて,劣性遺伝形式を示すものもある.高IgE症候群の原因は長年不明であったが,STAT3, TYK2, DOCK8などの責任遺伝子が解明され,その病態が次々と明らかになりつつある.