著者
峯木 茂
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ピレン資化性細菌Mycobacterium sp.H2-5を無機培地でピレンを炭素源として培養し、ピレン分解に関与するジオキシゲナーゼ(ピレン酸化酵素)のサブユニットであるNidAとNidBを取得した。NidBはピレン分解時に特異的であり、大サブユニットNidAと結合してジオキシゲナーゼを構成するとされているので、この遺伝子がピレン資化能のプローブとして利用できそうであった。N末端付近のアミノ酸配列情報から当該タンパク質の遺伝子nidAとnidBを獲得して、塩基配列を決定した。次いで、その配列情報から蛍光標識したプローブを作製し、蛍光in situ hybridization(FISH)解析をする予定であったが、標的となるmRNA量が少ないためにやや難しいと考えられたので、先ずは豊富に存在すると考えられる、16S rRNAに対するFISHを試みることにした。H2-5株のFISHに先立ち、E.coilに対して、Alexa Fluore 488で5'末端を蛍光ラベルしたユニバーサルプローブEUB338およびアンチセンスであるNONEUBを用いてFISHを行った。菌体をパラホルムアルデヒドで固定し、ゼラチンコートしたスライド上に結合させた。次に、上記プローブをハイブリしたのち、蛍光顕微鏡で観察した結果、EUBとDAPIに関して、明瞭なシグナルをうることができた。次いで、TSB栄養培地で純粋培養したH2-5株のFISHを同様な方法で行った。その結果、EUB338とDAPIで強いシグナルが得られたものの、E.coliに比べると不明瞭であった。現在、シリコナイズしたスライドガラスを用いてlysozymeとachromopeptidase処理をしてプローブの浸透性を向上させるべく、実験を継続している。
著者
後藤 純雄 高木 敬彦 阪口 雅弘 峯木 茂
出版者
麻布大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

環境空気浮遊粒子中の真菌類の存在実態を把握するため、粒径別分級採取法、分子マーカーのGC/MS分析法、リアルタイム濃度測定法などについて検討した結果、大学室内及び牛舎内空気で平均粒径1.1μmのステージに多く採取されたこと、室内空気中エルゴステロール濃度が0.067~4.2(平均1.1)ng/m^3となり屋外空気中のそれらとほぼ同等であったこと、レーザー照射蛍光測定装置を用いるとリアルタイム測定が可能であることなどを認めた。