著者
宇井 恭一 峯杉 賢治 寺島 啓太 堤 誠司 石井 達哉 岸 光一 西尾 誠司 堀江 洋一
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.8-14, 2012-01-05
参考文献数
4

イプシロンロケットは,段階的な開発を実施する計画であり,第1ステップではM-VロケットおよびH-IIAロケットで培った技術を最大限に活用し,平成25年度に打ち上げる.この方針に従い,構造系開発も第1ステップでは短期間で確実な開発(効率的開発)のため,多くの既開発コンポーネントを流用または改修流用する.本稿では,まず第1ステップ構造系全体の概要を述べ,次に新規開発コンポーネントである第2,3段固体モータケース(軽量・低コスト化),衛星分離部(衛星振動環境緩和),第3段機器搭載構造,フェアリング(水没機能付加)について説明する.衛星機械環境としては,乗り心地向上のため音響環境を世界標準レベル(OASPL 140dB程度)まで緩和することを目的とした射座煙道の設計解析と地上燃焼試験の概要を示す.最後に,第2ステップに向けた構造系抜本的低コスト化研究の概要について述べる.