- 著者
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吉川 真
- 出版者
- 一般社団法人日本航空宇宙学会
- 雑誌
- 日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.12, pp.455-460, 2012-12-05
小惑星探査機「はやぶさ」は,多くの困難に遭遇したが,最終的には小惑星表面の物質を地球に持ち帰るという目的を達成することができた.この「はやぶさ」ミッションを受けて,次の太陽系天体探査ミッション「はやぶさ2」が動き出している.「はやぶさ2」も小惑星からのサンプルリターンを目指すが,「はやぶさ」の経験を踏まえてより確実な技術を目指す.また,人工的なクレーターを作る衝突装置やKa帯の通信など,新しい技術にも挑戦する.科学としては,C型小惑星を探査することで,太陽系誕生時の鉱物,水,有機物を調べ,生命の原材料物質についての解明を目指す.現在の計画では,2014年に打ち上げられた後,2018年に小惑星に到着し,約1年半にわたって探査を行い,2020年に地球に帰還する予定になっている.現在,詳細設計が終わり,製作に取りかかっているところであり,海外協力などについても協議を進めている.