著者
川人 潤子 島崎 悠子
出版者
比治山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は,抑うつに関連する自己複雑性と知能の関連を明らかにし,個人の知能特性に応じた抑うつを改善するためのプログラムの開発および効果の検証を目的とした。大学生を対象とした研究の結果,知能のうち作動記憶ならびに肯定的自己複雑性への働きかけが抑うつ低減に影響する可能性が示唆された。さらに,うつ病患者を対象とした研究においては,知能のうち作動記憶や処理速度,さらに否定的自己複雑性への働きかけがうつ病の再発予防において重要である可能性が示唆された。これらのことから,抑うつ予防と再発予防において,知能のうち作動記憶や処理速度に応じた心理療法や心理教育が重要であると考えられた。