著者
井尻 篤木 吉木 健 根本 洋明 田中 浩二 嶋崎 等 前谷 茂樹 峯岸 則之 中村 晃三 森本 陽美記 堀 あい 米富 大祐 中出 哲也
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.53-57, 2010 (Released:2011-04-09)
参考文献数
9

MRIで嚢胞性髄膜腫と診断した犬3例をその画像所見から人医療のナタの分類より、タイプ別に分類し、手術を行った。タイプIIIの症例1、2は造影されている充実性の腫瘍のみ摘出し、タイプIIの症例3は造影されている嚢胞壁と腫瘍の両方を摘出した。その結果、全症例において症状の改善がみられ、症例1は嚢胞の内容液の分泌能が低下し、症例2、3は嚢胞が消滅した。症例3は腫瘍が新たに摘出部位の反対側から発生したが、3年生存している。
著者
安積 一平 西田 英高 田中 美有 桑村 充 嶋崎 等 田中 利幸 山本 卓矢 秋吉 秀保
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.e75-e80, 2023 (Released:2023-05-02)
参考文献数
12

7歳齢の避妊雌のトイプードルが,右前肢の跛行を主訴に受診した.初診時のX線検査では右肩甲骨の骨増生及び皮質骨の不整が認められた.病変部位の組織の一部を採取したところ,非感染性の骨の炎症が疑われた.プレドニゾロン内服によって臨床徴候の改善が認められ,休薬によって血中C反応性蛋白(CRP)の高値及び両後肢不全麻痺が認められるようになった.核磁気共鳴画像(MRI)検査によって,第1-2胸椎,第4-5胸椎の硬膜外脂肪の炎症が認められ,特発性無菌性化膿性肉芽腫と診断した.免疫抑制量のプレドニゾロン及びシクロスポリンの内服によって,両後肢の神経徴候は改善し,血中CRPは正常範囲内まで低下し,MRI検査では病変は消失していた.本症例では,無菌性化膿性肉芽腫が肩甲骨及び硬膜外脂肪に発症したと考えられた.