著者
中垣 紀子 川井 みつ子 神道 那実
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.35-40, 2007-03

近年、医療技術の進歩や医療機器の開発に伴い、周産期に亡くなる子どもの数は減少し、反面疾患により障害をもちながら成長し、学童期に達する子どもの数が増加している。本研究では、障害をもつ子どもがよりよい学校生活を送るために、養護学校と医療者や地域それぞれの役割と連携のあり方を検討する前段階として、養護学校における医療的ケアについての動向を概観した。その結果、以下の動向が明らかになった。1.かつては、障害をもつ子どもの教育において、就学猶予免除により医療的ケアが必要とされる障害をもつ子どもへの教育が大きく制約されていた。2.1979年、国は養護学校の義務制を実施したが、医療的ケアが必要な子どもを無理に通学させるのは危険であり、訪問教育にすべきであるという考え方が、教育・医療の中心であった。3.1980年代に普及したインクルージョン(共生)の概念は、生活年齢に相応する普通教育の環境を保障することに大きく影響した。4.看護師配置前は、医療的ケアが必要な子どもの通学は可能であるが、そのケアは家族が付き添い、実施することが条件であった。5.2003年以降、文部科学省と厚生労働省が連携して非常勤の看護師を配置するモデル事業を実施し、教育・医療・福祉における協力体制で整備しつつある。