- 著者
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川井 千敬
阿部 大輔
- 出版者
- 公益社団法人 日本都市計画学会
- 雑誌
- 都市計画論文集 (ISSN:09160647)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.3, pp.1253-1258, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
-
1
3
近年訪日外国人観光客の急激な増加を背景に宿泊ニーズが高まっている。それに伴い京都市では簡易宿所が急増している。本研究では京都市東山区を対象に簡易宿所の立地動向を明らかにし、その立地が地域に及ぼす影響を考察することを目的とする。立地の特徴は(1)これまで商業地域に立地してきた簡易宿所が近年住居地域に拡がりつつあること、(2)細街路に立地が展開されつつあること、(3)簡易宿所の増加が地価上昇の一因になっている可能性があること、などが挙げられる。また、簡易宿所の立地が及ぼす地域への影響については、(1)地域住民は路地空間への宿泊施設の立地に抵抗感を持っていること、(2)住民にとって必要な古くからある小商いなどが宿泊施設に転換されていること、および、住宅利用の減退の可能性があること、(3)簡易宿所の立地によって住民退去が惹起されていること、などがあげられる。