- 著者
-
永井 秀樹
川北 一彦
- 出版者
- 日本理科教育学会
- 雑誌
- 理科教育学研究 (ISSN:13452614)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.1, pp.35-43, 1999-07-31
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
-
3
小学校理科「電気のはたらき」の単元で,電流,または,電気に関する子どもの考え方について調査・分析した。初めの段階は,豆電球,モーター,乾電池,及び簡易検流計による観察・実験の結果に対して,粒や矢印による電流モデルを用いて子どもの考え方を描かせた。観察・実験の直後は消費(減衰)モデルが一時的に減少するが,時間が経過すると,また元へ戻ってくる子どももみられた。観察・実験と話し合いを繰り返す中で,「使えば電池が消耗する」という日常経験と,「豆電球(またはモーター)の前後で電流が変化しない」こととの矛盾が消費モデルが復活する原因らしいことが分かった。そこで,電池まで含めた子どもが考えたモデル「電気マンモデル」「カミナリ君モデル」等を活用することが有効であることが分かった。これらのモデルは,電池の直列・並列つなぎの場合に対しても有効なモデルであった。