著者
阿萬 裕久 天嵜 聡介 佐々木 隆志 川原 稔
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.69-76, 2015-08-31

ソフトウェア開発において,潜在フォールトの早期検出と除去は重要な課題であり,そのための支援技術の一つとしてプログラム中のコメントに着目する手法が研究されている.コメントはプログラムの理解容易性を高める上で有用な要素であるが,複雑で分かりにくい部分に対してその可読性の低さを補う目的で追記されることもある.これまでにJavaプログラムを対象とした調査がいくつか行われ,メソッドの中にコメントが書かれている場合にそのメソッドのフォールト潜在性は他のメソッドに比べて高いという傾向が確認されている.本論文では,コメントに着目したフォールト潜在予測の精度向上に向け,新たな視点としてメソッドにおけるローカル変数の名前とスコープの長さに着目した調査(データ収集と分析)を行っている.三つの著名なオープンソースソフトウェアを対象とした調査の結果,コメントのみならず変数の名前の長さとスコープの長さも考慮した分類を行うことの有効性が確認されている.
著者
山内 一輝 阿萬 裕久 川原 稔
雑誌
ウィンターワークショップ2016・イン・逗子 論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.41-42, 2016-01-28

本稿は,オープンソース開発における "開発者" に注目し,各開発者の各ソースファイルに対する貢献度を定量化する基準について提案を行っている.
著者
織田泰輔 阿萬裕久 佐々木隆志 川原稔
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2014-SE-186, no.3, pp.1-8, 2014-11-06

本稿は静的解析ツールで検出可能なコーディング規約違反に着目し,実際のオープンソース開発においてどういった規約違反が多く検出され,その中でどういった規約違反は結果的に解消されていくのか,あるいは逆に解消されずにそのまま残っていくのかを調査している.調査としては,Java 言語で開発されている 2 種類のオープンソースソフトウェアに対して,それらのリポジトリへのコミットごとに静的解析ツール Checkstyle を適用し,Sun Java コーディング規約に対する違反情報を収集している.分析の結果,二つのソフトウェアにおいて六つの違反項目が共通して多く検出されることが分かり,それらの変化 (改善) の傾向から開発の過程でプログラマがどういった点に注意を払っていたかを考察している.
著者
高橋 信行 佐々木 隆志 川原 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.213, pp.41-46, 2011-09-15

視覚障がい者がeラーニングを活用して効率的に学習できるようにするためには,ユーザビリティの高いWebページを提供する必要がある.著者らは,Webデザインがユーザビリティに与える影響を明らかにするため,全盲者,ロービジョン者,晴眼者を被験者とし,2種類のWebデザイン(表形式リンクメニュー,縦列形式リンクメニュー)において,ターゲットリンクを探しクリックする課題の遂行時間,フォーカス遷移記録,アンケート調査結果を分析することにより,実証的にユーザビリティの評価を行い,視覚障がい者向けのeラーニングを構築する際の配慮点について考察した.その結果,全盲者では晴眼者のようなデザインによる影響を受けなかった.ロービジョン者では,観測されたデータのばらつきが大きく,一定の傾向を見出すことはできなかった.