著者
岡田 耕介 川口 孝幸 榎本 成悟 伊勢 史郎
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.32-41, 2005-12-25
被引用文献数
3

境界音場制御の原理によれば, 3次元音場内の任意の領域内の音圧を, その領域を囲む境界上の音圧と音圧勾配を制御することにより制御できる。しかしながら, 厳密に制御を行うためには境界面を波長よりも十分短く離散化する必要があり大規模なシステムが必要となる。そこで, 本研究では受聴者の頭部周辺での音場再現を目的とした64chの収音・再生が可能なコンパクトな没入型聴覚ディスプレイを境界音場制御の原理に基づき試作し, その性能を確認するための定位実験を行った。実験の結果, 被験者の耳の高さの水平面と正中面において定位感が得られることを確認した。特に, 水平面においては被験者に頭部の動きを許すことにより前後の折り返した角度の誤判定が減少し, 非常に高い定位感が得られることを確認した。