著者
伊勢 史郎 平原 達也 上野 佳奈子 大谷 真
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

境界要素法によって計算されたHRTF を用いて、頭部運動に対応可能な動的聴覚ディスプレイ(VAD)による定位実験、仮想空間内で動きながら会話が可能な仮想聴空間システムによる評価実験を行った。さらにダミーヘッドが頭部運動に追従するテレヘッドシステムを開発し、音像定位実験を行った。その結果、人間の適応能力を考慮した場合には必ずしも個人のHRTF を利用する必要がなく、HRTF に要求される精度を低減可能であることを示した。
著者
伊勢 史郎
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.706-713, 1997-09-01
被引用文献数
76

キルヒホッフ-ヘルムホルツ積分方程式のホイヘンスの原理とは異なる数学的解釈を用いることにより, これまでとは異なる新しいアクティブ音場制御の原理を提案する。この原理はある境界面の音圧と音圧勾配を同時に調整することにより, その内部の領域を制御することができることを示すものである。この原理と逆システム理論を用いることにより, ある空間範囲の音場再現をシステムとして実現することができることを示す。また, 音場再現システムにおけるマイクロホンの配置と音場再現の精度の関係などについて数値計算により検討する。
著者
伊勢 史郎
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.706-713, 1997-09-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
17

キルヒホッフ-ヘルムホルツ積分方程式のホイヘンスの原理とは異なる数学的解釈を用いることにより, これまでとは異なる新しいアクティブ音場制御の原理を提案する。この原理はある境界面の音圧と音圧勾配を同時に調整することにより, その内部の領域を制御することができることを示すものである。この原理と逆システム理論を用いることにより, ある空間範囲の音場再現をシステムとして実現することができることを示す。また, 音場再現システムにおけるマイクロホンの配置と音場再現の精度の関係などについて数値計算により検討する。
著者
岡田 耕介 川口 孝幸 榎本 成悟 伊勢 史郎
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.32-41, 2005-12-25
被引用文献数
3

境界音場制御の原理によれば, 3次元音場内の任意の領域内の音圧を, その領域を囲む境界上の音圧と音圧勾配を制御することにより制御できる。しかしながら, 厳密に制御を行うためには境界面を波長よりも十分短く離散化する必要があり大規模なシステムが必要となる。そこで, 本研究では受聴者の頭部周辺での音場再現を目的とした64chの収音・再生が可能なコンパクトな没入型聴覚ディスプレイを境界音場制御の原理に基づき試作し, その性能を確認するための定位実験を行った。実験の結果, 被験者の耳の高さの水平面と正中面において定位感が得られることを確認した。特に, 水平面においては被験者に頭部の動きを許すことにより前後の折り返した角度の誤判定が減少し, 非常に高い定位感が得られることを確認した。
著者
森島 繁生 八木 康史 中村 哲 伊勢 史郎 向川 康博 槇原 靖 間下 以大 近藤 一晃 榎本 成悟 川本 真一 四倉 達夫 池田 雄介 前島 謙宣 久保 尋之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.250-268, 2011-03-01

映像コンテンツの全く新しい実現形態として,観客自身が映画等の登場人物となり,時には友人や家族と一緒にこの作品を鑑賞することによって,自身がストーリーへ深く没入し,かつてない感動を覚えたり,時にはヒロイズムに浸ることを実現可能とする技術「ダイブイントゥザムービー」について本稿で解説する.この実現には,観客に全く負担をかけることなく本人そっくりの個性を有する登場人物を自動生成する技術と,自ら映像中のストーリーに参加しているという感覚を満足するためのキャラクタ合成のクオリティ,映像シーンの環境に没入していると錯覚させる高品質な映像・音響再現技術及びその収録技術が,観客の感動の強さを決定する重要な要素となる.2005年の愛・地球博にて実証実験を行った「フユーチャーキャスト」に端を発するこの技術は,ハードウェアの進歩と2007年にスタートした文部科学省の支援による科学技術振興調整費プロジェクトの実施によって,格段の進歩を遂げた.その結果,様々なバリエーションの観客の個性を全自動・短時間でストレスなくモデル化することが可能となり,また作品の中でリアルタイム合成されるキャラクタの顔と全身,声に各入の個性を忠実に反映することが可能となった.また,同時に役者が感じた音場・視点で1人称的にコンテンツへの没入感を体感することを可能にするシステムを同時に実現した.