著者
大蔵 君治 大西 洋司 川口 真司 大平 雅雄 飯田 元 松本 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.275, pp.41-46, 2007-10-15

オープンソースソフトウェア(OSS)開発において,プロジェクトのアクティビティ(開発の活発度)は成果物の品質に影響を及ぼす重要な要因の一つである.OSS開発では,一般的に詳細な開発ドキュメントを作成することは少ないため,開発ツールのログデータを用いた分析手法が多く用いられてきた.しかしながら,開発ツールはプロジェクトによって多種多様なものが使用されるため,異なるプロジェクトに対して同じ分析手法を用いることは困難である.本稿では,多くのOSSプロジェクトにおいて開発に用いられるメーリングリスト(ML)に着目し,開発者の共起性からOSSプロジェクトのアクティビティを予測する手法を提案する.我々は,実際のOSSプロジェクトに対して提案手法の適用実験を行い,開発者の共起性がプロジェクトのアクティビティに影響を与えることを確認した.
著者
川口 真司 ガーグ パンカジ 松下 誠 井上 克郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.1217-1225, 2005-08-01
被引用文献数
6

近年, ネットワークの発達と分散ソフトウェア開発の普及に伴い, 大規模なソフトウェアリポジトリが一般的なものとなってきている. ソフトウェアリポジトリとはソースコードやドキュメント, バグレポート等の各プロジェクトの成果物を蓄積するためのデータベースである. 通常, ソフトウェアリポジトリは膨大な数のプロジェクトを保持しているため, 例えば, 開発者が現在開発中のものと似ているプロジェクトを捜したり, 管理者が会社内で走っている全プロジェクトを俯瞰するといったことに活用できる. しかし, 保持内容が膨大なためにプロジェクト同士の関連を判定して整理するには非常な労力を必要とする. そこで, 我々はソフトウェアを自動的に分類するMUDABlueシステムを作成した. MUDABlueの特長は以下の四つである. (1)分類にはソースコードのみを使用, (2)分類先となるカテゴリー集合も自動的に決定する, (3)ソフトウェアを二つ以上のカテゴリーに分類することを許す, (4)Webインタフェースで分類結果を表示する. 本論文では既存の分類手法との比較を通じてMUDABlueシステムの有効性を議論する.