著者
川山 智隆 田尻 守拡 木下 隆
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.127-132, 2013-08-31 (Released:2016-01-26)
参考文献数
14

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態把握にしばしば気流制限の程度が用いられる.しかし,気流制限の程度は,COPD患者の生活の質(QOL)や予後を反映すべき重症度と必ずしも一致しない.一方,患者の臨床症状や呼吸困難感およびQOLの程度は予後予測因子の一つとして知られる.COPD assessment test(CAT)は,①咳,②喀痰,③息苦しさ,④労作時息切れ,⑤日常生活,⑥外出への自信,⑦睡眠,⑧活力の8項目で患者のQOLを総合的に半定量でき,従来の質問票に比較して簡便で安価である.2011年度版のGlobal Strategy for Diagnosis, Management, and Prevention of COPDドキュメントでは,CATは,呼吸困難レベル,%1秒量や過去の増悪頻度と同様に,症状緩和あるいは将来リスク軽減を予測でき,治療戦略選択に考慮するように推奨されている.