著者
川崎 賢太郎
出版者
農林水産省 農林水産政策研究所
雑誌
農林水産政策研究 = Journal of Agricultural Policy Research (ISSN:1346700X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.13-29, 2022-02-22

政策効果に関して信頼性の高いエビデンスを得るためには,因果関係を評価できる適切な手法を利用することが重要である。本稿では,回帰不連続デザイン及び差分の差分法をレビューした川崎(2020;2021)に続き,操作変数法に焦点を当て,その基本的な概念や農業経済学分野における応用例を紹介する。There are several econometric methods for evaluating the causal impact of agricultural policies. In previous studies, the regression discontinuity design and the difference-in-differences method were reviewed (Kawasaki 2020, 2021). In this study, we review the basic concept of instrumental variable method and its applications in the field of agricultural economics.
著者
川崎 賢太郎
出版者
農林水産省 農林水産政策研究所
雑誌
農林水産政策研究 = Journal of Agricultural Policy Research (ISSN:1346700X)
巻号頁・発行日
no.早期公開, pp.1-12, 2021-09-22

近年,農業政策分野においてEBPM(Evidence-based policy making,エビデンスに基づく政策立案)という考え方が浸透しつつあるが,そこでの最も重要な概念は,政策が各種アウトカムに与える「因果関係」である。本稿では因果関係を推計する手法の一つである,「差分の差分法(Difference-in-differences)」に焦点を当て,その基本的な概念や農業経済学分野における応用例について紹介する。Causality is pivotal in evidence-based policy making and can be quantified with several econometric methods.This study reviews applications of difference-in-differences method in the field of agricultural economics.
著者
川崎 賢太郎
出版者
農林水産省 農林水産政策研究所
雑誌
農林水産政策研究 = Journal of Agricultural Policy Research (ISSN:1346700X)
巻号頁・発行日
no.33, pp.63-75, 2020-12-28

近年,農業政策分野においてEBPM(Evidence-Based Policy Making,エビデンスに基づく政策立案)という考え方が浸透しつつあるが,そこでの最も重要な概念は,対象とする政策が各種アウトカムに与える「因果関係」である。本稿では因果関係を推計する手法の一つである,「回帰不連続デザイン(Regression Discontinuity Design)」に焦点を当て,その基本的な概念や農業経済学分野における応用例,我が国の農業分野に適用するための課題について論じる。Causality plays a key role in evidence-based policy making, and there are several econometric methods that quantify it. This article reviews applications of regression discontinuity design in the field of agricultural economics and discusses several issues that should be considered when applying this method to agricultural policies.
著者
川崎 賢太郎
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.82-91, 2014-09-25 (Released:2016-03-26)
参考文献数
35
被引用文献数
1

本報告では品質の重要な指標の1つである等級に焦点を当てて,論点整理と分析結果の紹介を行う.はじめに品質を表すいくつかの指標を比較して等級の位置付けを整理した上で,等級が必要となる根拠を情報の非対称性という観点から考える.次に温暖化が稲作に与える影響を例に,農家経済における等級の重要性を明らかにする.計量分析の結果,気温の上昇は量ではなく質の悪化を通じて収入を低下させることが示される.最後に等級の改善策として,上位等級ほど補助金の単価が上昇する仕組み,品質支払に着目し,理論分析を行う.現実的な仮定の下,品質支払は数量支払や固定支払よりも費用効果的に品質と単収を向上させることが示される.