著者
川澄 みゆり 飯田 香緒里
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.2_67-2_71, 2017 (Released:2018-01-18)

大学等アカデミアが関与する臨床研究を巡っては,2013年からデータの不正使用及び企業との不適切な関与が指摘される事案が相次いで発覚したことを背景に,臨床研究に関する指針が見直され,医学研究の質の確保,被験者保護と並んで研究機関と企業等との透明性確保のための利益相反管理に関する規程が新設された.更に臨床研究の信頼回復のための法制度として,利益相反管理義務が法律とし定められることも予定され,従来以上に医学研究における利益相反マネジメント体制の強化が求められているといえる.本稿では,全国の医学部を有する大学等に対して実施した,利益相反マネジメントの実施状況に関する調査から抽出された課題を紹介するとともに,当該課題を解決し我が国の医学研究の信頼維持のために求められる利益相反マネジメントの在り方をモデルとして紹介していく.
著者
川澄 みゆり
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、Sox17-GFPノックインノックアウトマウス(Sox17-GFPマウス)を用いてSox17の子宮における発現パターンや着床への影響について解析を行った。Sox17-GFPマウスではメス出産時の産仔数が減少する傾向にあった。そこで、まずはその原因が胚側、母側のどちらにあるのかを検討した。その結果、排卵および受精、in vitroでの胚発生は野生型由来と差が見られなかったにも関わらず、交配後6.5dpcで着床状態を確認したところ、Sox17-GFPメスマウスでは野生型に比べて着床数が減少した。また着床前胚の免疫蛍光染色の結果、Sox17は野生型と比較してその発現に差は観察されなかった。これらのことから、Sox17-GFPマウスで産仔数が減少する原因は胚ではなく母側にあり、着床の過程で何らかの異常が生じている可能性が高いことを見いだした。さらに母側の子宮において、Sox17の発現はプロゲステロン産生時期に関わらず子宮内膜に強く発現していることを確認し、続けて胚が子宮に着床する瞬間の解析を進めている。またSox17が子宮での着床時に機能しているのかどうかをより詳細に解析するため、子宮特異的にSox17を欠損するコンディショナルノックアウトマウスの作成も進め、Sox17floxマウスをプロゲステロン受容体Creマウスと交配し、Sox17子宮特異的欠損マウスを作成した。Sox17の機能相補が予想されるSox7についても同様に欠損させるため、Sox7floxES細胞を購入し、ESインジェクションによりキメラマウスの作成を行った。着床、妊娠の過程におけるSox17の役割の解明を目指し、着床および妊娠維持の機構を明らかにすることは、マウスでの体外受精の着床率の向上・安定が望め、また着床率の向上と安定はヒト不妊治療への応用も期待できることから、臨床的にも意義のある研究と言える。