著者
黒木 学 宮川 雅巳 川田 亮平
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.89-100, 2003-12-15 (Released:2009-06-12)
参考文献数
14
被引用文献数
3 2

線形回帰モデルにおいて,説明変数と誤差に相関があるとき,偏回帰係数の一致推定量を得る方法のひとつとして操作変数法がある.この操作変数法は,最近発展している因果ダイアグラムを用いた統計的因果推論において,その意義が再認識されている.しかし,一般に操作変数の条件を満たす変数が存在しない状況は少なくなく,適用範囲は限定されていた.これに対してBrito and Pearl (2002)が提案した条件付き操作変数法は,ある共変量を観測することで,操作変数の条件を緩和したものである.本論文では,線形構造方程式モデルのもとで,条件付き操作変数法を用いた総合効果の推定精度について調べた.その結果を利用して,条件付き操作変数の条件を満たす変数が複数あるときに,興味ある総合効果の推定精度という観点からの操作変数選択基準を与えた.