著者
宮川 雅巳
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-21, 1987-07-20 (Released:2009-06-12)
参考文献数
28
被引用文献数
8 6

1977年DempsterらによってまとめられたEMアルゴリズムは,不完全データに基づく最尤推定に際し比較的簡単な手順で尤度最大化を図る数値計算上の技法である.本報告では欠測値等に対するEMアルゴリズムの様々な適用例を中心に,EMアルゴリズムの歴史的経緯,性質および問願点について概観するとともに,EMアルゴリズムの意義について考察した.また欠測値等の解析においてまず問題となる欠測値の発生メカニズムについても併せて言及した.
著者
黒田 健成 宮川 雅巳 田中 研太郎
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.79-91, 2006-12-30 (Released:2009-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

変数間の因果関係が因果ダイアグラムと構造方程式モデルで表現される状況で,ダイアグラムの矢線へ介入する行為を考え,その効果を定式化する.この定式化は条件付き介入の枠組みにおいて記述される.矢線への介入効果に対する識別可能条件についても考察した。線形構造方程式モデルのもとで,興味ある特性変数の分散が,これへの有向道上の矢線を介入することで,どのように変化するかを具体的に求めた.矢線への介入は,直接介入しにくい変数である中間特性を制御するうえで有用である.適用例を通して,これらの定式化の有用性を主張した.
著者
黒木 学 宮川 雅巳
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.79-89, 1999-04-15 (Released:2018-10-20)

工程解析において品質特性とともに環境要因, 材料特性, 処理条件, 中間特性といった要因系変数が連続変数として観測される場合を扱う.特性と要因の関係に加えて要因間の関係を記述するのに, 因果ダイアグラムと線形構造方程式モデルを用いる.特性をねらいの範囲に調整・制御するために, ある処理条件に対して外的操作を加える状況を考える.この設定において統計的因果分析の最近の成果である介入効果の推測理論を, 工程解析の場面に適用する基本的フレームワークを与え, 回帰モデルで介入効果を識別するための変数選択基準を明らかにする.また, 線形構造方程式モデルにおいて, 平均に加えて分散に対する介入効果を明示する.具体的な適用例に通してこれらの有効性を考察する.
著者
黒木 学 宮川 雅巳 川田 亮平
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.89-100, 2003-12-15 (Released:2009-06-12)
参考文献数
14
被引用文献数
3 2

線形回帰モデルにおいて,説明変数と誤差に相関があるとき,偏回帰係数の一致推定量を得る方法のひとつとして操作変数法がある.この操作変数法は,最近発展している因果ダイアグラムを用いた統計的因果推論において,その意義が再認識されている.しかし,一般に操作変数の条件を満たす変数が存在しない状況は少なくなく,適用範囲は限定されていた.これに対してBrito and Pearl (2002)が提案した条件付き操作変数法は,ある共変量を観測することで,操作変数の条件を緩和したものである.本論文では,線形構造方程式モデルのもとで,条件付き操作変数法を用いた総合効果の推定精度について調べた.その結果を利用して,条件付き操作変数の条件を満たす変数が複数あるときに,興味ある総合効果の推定精度という観点からの操作変数選択基準を与えた.
著者
宮川 雅巳
出版者
日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 = Journal of the Japan Statistical Society (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.327-356, 1999-12-01
参考文献数
62
被引用文献数
3
著者
黒木 学 宮川 雅巳
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.79-89, 1999-04-15
被引用文献数
8

工程解析において品質特性とともに環境要因, 材料特性, 処理条件, 中間特性といった要因系変数が連続変数として観測される場合を扱う.特性と要因の関係に加えて要因間の関係を記述するのに, 因果ダイアグラムと線形構造方程式モデルを用いる.特性をねらいの範囲に調整・制御するために, ある処理条件に対して外的操作を加える状況を考える.この設定において統計的因果分析の最近の成果である介入効果の推測理論を, 工程解析の場面に適用する基本的フレームワークを与え, 回帰モデルで介入効果を識別するための変数選択基準を明らかにする.また, 線形構造方程式モデルにおいて, 平均に加えて分散に対する介入効果を明示する.具体的な適用例に通してこれらの有効性を考察する.
著者
宮川 雅巳 吉田 勝実
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.12-18, 1992-04-15
被引用文献数
1

In this paper, interaction patterns in L_<18> orthogonal array are classified as the confounding patterns between interaction and main effect ,and the degree of confounding is evaluated quantitatively for each pattern. An equivalence relationship is defined among the forms of confounding patterns to classify into several confounding patterns. To evaluate the degree of confounding quantitatively, the ratio of sums of squares between interaction and main effect are used. For instance, these results suggest that when there are only factors with three levels and the number of factors is six at most, these factors should be assigned from the third column to reduce the confoundings as least as possible.
著者
宮川 雅巳
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.69-79, 1989-01-30 (Released:2009-06-12)
参考文献数
12

推定量の偏り,分散,さらに一般的な誤差の尺度をノンパラメトリックに推定するために,ジャックナイフ法,ブートストラップ法など様々なリサンプリング方式が提案されている,本稿では,ジャックナイフ法に関連した直交配列表を用いたリサンプリング方式とその影響分析への応用について提案する.このリサンプリング方式の基になるのは,Hartigan(1969)のTypical Value Theoremであり,本方式で得られるリサンプルはtypical setを形成し,かつ釣合型となる.また,本方式による影響分析では,個々の観測値が注目する統計量に与える影響を,分散分析の加法モデルにより主効果と交互作用としてとらえる点に特徴がある.2つの数値例を通じてその実用性を検証する.