著者
青木 佑介 大達 清美 川田 憲一 太田 喜久夫
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.616-622, 2020-10-15 (Released:2020-10-15)
参考文献数
18

要旨:片側性の小脳・延髄外側梗塞で重度球麻痺,失調症,中枢性低換気を呈した症例に対して,包括的リハビリテーション(以下,包括リハ)を実施した.主治医や呼吸サポートチームと連携し,人工呼吸器管理から離脱を図り,日常生活動作(以下,ADL)を改善した.また,栄養サポートチームとも連携して,栄養方法を確立し,嚥下造影検査を用いた積極的な摂食嚥下リハビリテーションを実施した.約1年間の入院後,経口摂取が可能となり,ADL自立の状態で自宅退院となった.人工呼吸器管理など重度の重複障害例に対しては,多職種による包括リハが必要となり,患者の機能予後に好影響を与えると考えられた.