- 著者
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寺本 洋一
馬場 尊
才藤 栄一
太田 喜久夫
- 出版者
- 社団法人日本リハビリテーション医学会
- 雑誌
- リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.3, 2003-03-18
健常成人8人(平均35.6歳)を対象に,息こらえによる酸素分圧の低下が酸素飽和度に反映されるかを検証した.実測値の測定は最大吸気から約1,2,3l/呼気し息こらえを開始し,パルスオキシメーターにて安静時,20,40,60秒後,最低の酸素飽和度を測定,息止め時間も記録した.理論値の測定は,Borenの残気量予測式等を用い,肺胞内空気の酸素消費に着目し算出した.実測値と理論値の比較で最高(R=0.85)の相関を認めた.実測値と予測値には10〜20秒のタイムラグがあり,約10〜20秒後の実測値において,予測値とほぼ同値の酸素飽和度が認められた.肺胞壁内毛細血管から上肢末梢血管まで血液が循環するのに必要な時間を考慮する必要があった.予測値と20秒後の実測値の相関をみると最高R=0.81の相関を認めた.各症例の酸素飽和度低下度と各パラメーターとの相関では高年齢,肥満,低肺活量,低活動性,smoking index高値の症例において酸素飽和度低下の傾向が著しいことが示唆された.