著者
川窪 広明 松富 謙一 井之上 節朗 Hiroaki KAWAKUBO Ken-ichi MATSUTOMI Setsuro INOUE
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.69-109, 2009-03-31

本報告は、2009年度特別研究、「尾道空き屋再生プロジェクト参加による学生の社会体験教育と建築の学習に対するモティベーション向上」に関するものである。この特別研究は、尾道市の斜面地に数多く存在する空き屋再生活動に取り組んでいるNPO法人・尾道空き屋再生プロジェクトとの協働により、実際の住宅再生作業を通して学生に社会体験をさせることを主な目的としている。また9月に開催された「尾道建築塾夏合宿」には、本学の学生以外にも全国各地から学生や社会人が参加し、尾道市東土堂町の傾斜地に建つ築52年の木造住宅の改装工事や五右衛門風呂製作を行った。本報告では、この夏合宿を中心に学生が作業内容や取得した技能などを日報形式で詳細に報告する。
著者
井之上 節朗 松富 謙一 川窪 広明
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.43-52, 2009

本学の教員と学生が、広島県尾道市において空き家再生プロジェクトに参加するなかでこの地域が急斜面で車輌などによる材料・道具類の搬入が不可能であり、かつ繁殖しているモウソウチクが敷地・建物に悪影響を及ぼしている状況に直面した。本来、歴史的に見ても竹は建材などにも使われてきており、わが国の文化になくてはならないものであったはずである。そこで今回はあらためて竹の活用を検討するために基礎的な強度試験を行うことにした。まず、尾道市の竹林よりモウソウチクを伐採し、長さ20cmに切断し、節有・隔壁有、節有・隔壁無、節無・隔壁無の3種類のサンプルを作成し、乾燥してないものと乾燥したものの圧縮試験を行った。結果として、乾燥してないものは、3種類の間に大差はなかった。乾燥したものは、乾燥してないものの約2倍程度の強度を示し、3種類の中では節有・隔壁有が最大の強度となった。今後、サンプル数量を増やし試験結果の精度を上げ、これを基に新たな展開に繋げたい。