著者
松平 光男 川端 季雄
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.T175-T183, 1986-12-25 (Released:2010-02-12)
参考文献数
14
被引用文献数
4 1

目的 重力場における織布の揺動振動とせん断特性との関係を解析し, 衣服の動的ドレープと布物性との関連を明らかにする.成果 平板状の織布および正弦波状に曲げバックリングした織布 (屈曲布) の揺動振動特性を布の面内せん断変形特性と結び付けた.屈曲布の振動は平板布の振動に一部修正を加えることにより取扱えることを明らかにした.婦人用薄手布の揺動振動は布の面内せん断変形特性での摩擦効果によって減衰し, その減衰角はせん断力のヒステレシスとせん断剛性との比に直線関係を示す.
著者
川端 季雄 赤木 陽子
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.T13-T22, 1977-01-25 (Released:2009-10-27)
参考文献数
9
被引用文献数
10 18

目的 布に皮膚が触れた瞬間に感じられる接触冷温感と, 布の熱吸収特性の関係を調べるために, 布の熱吸収特性の過渡特性を測定する装置を試作し, 20種類の男子用外衣服地を用いて布の過渡的熱吸収特性を測定する.また一方で布の風合い判定の熟練者6人によりそれらの布の接触時の冷温感め判定を行ない, その判定順位と熱吸収特性との関係を点検する, 結果 過渡的な熱吸収特性を, 接触直後の最大熱流速度qmax値で代表させた.同種繊維, 同種織物の比較においてqmax値と温感の順位とは密接に関係することが認められた.また定常流での熱伝導率は関係しないように思われる.
著者
川端 季雄
出版者
日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.T184-T186, 1986-12-25 (Released:2009-10-27)
参考文献数
3
被引用文献数
9 23
著者
川端 季雄
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.T130-T141, 1984
被引用文献数
10 30

衣料用布地の熱水分伝達特性を測定する新しい装置を開発したので, いくつかの応用を含めて報告する.この装置の基本的な機能はつぎのとおりである.<BR>1) 布の熱吸収特性の測定;この吸収は薄い1枚の銅板に熱を貯え, これを布の表面に接触させることによって開始する.この吸収に伴う熱流信号をローパスフィルタに通すと熱流量にはピーク値が約0.2sec後に現われる.このピーク値をqmaxと定義し布の温冷感触感に関係する量として記録する.この過渡法を用いて布の熱伝導率, 熱拡散率も測定できる.<BR>2) 定常法による布の熱伝導率の高速測定;平行板方式の測定を行うが, 平行板の1枚は薄いアルミニウム板でその温度を精密に制御し, かつ高速応答性を持たせている.2℃ の設定温度差を階段状に加えたときの応答は10secである.この高速性は布の状態に乱れを与えることなしに熱伝導率を測定することができる.例えば布のリゲインを変化させない.<BR>3) 布の保温性の各種様式による測定;布からの空中への熱放散, すなわち保温性の測定において, 熱損失を連続的に測定することができる.通常の保温性の測定―― ここではドライ法と呼んでいる―― は2, 3min以内に完了できる.応用測定の一つとして, 皮膚法を紹介する.水を多量に含んだ紙を熱板上に置き, 模疑皮膚とする.この上に布を直接, またはいくらかのすき間を作っておき, 測定する.この方法での熱損失測定から布の熱・水分伝達特性についての多くの情報を得ることができる.例えば羊毛の夏スーツ地はポリエステルのそれより涼しいなど明瞭に示される.このようないくつかの結果を報告する.