著者
小野 鮎子 川﨑 安都紗 武永 敬明 村上 茂
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.12-14, 2017 (Released:2019-11-11)

非アルコール性脂肪性肝疾患(Non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD)モデルとして高脂肪食 負荷マウスを用い、タウリンの肝臓への脂肪蓄積に 対する作用を検討した。また、抗酸化作用に注目し、 タウリンの作用メカニズムを調べた。12 週間の高脂 肪食負荷により、肝機能の低下、肝臓への脂肪蓄積 と酸化ストレスの増加が見られたが、これらの変化 はタウリンの 12 週間混餌投与により改善された。 タウリンは NAFLD抑制作用を有し、抑制メカニズ ムの 1つとして抗酸化作用の関与が示唆される。
著者
村上 茂 川﨑 安都紗 小野 鮎子 伊藤 崇志
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.35-37, 2018 (Released:2019-11-11)

魚介類に豊富に含まれるタウリンは、海藻にも存 在し、浸透圧調節等の役割を果たしていると考えら れる。われわれは、海藻の中でも紅藻類のフノリが タウリンを特に多く含むことを見出した。海におけ るフノリの生育環境を考えると、タウリンが乾燥や 浸透圧変化、紫外線、温度変化などの環境変化に対 応するために利用されている可能性が推察される。 また海では、さまざまな生き物が解毒や代謝にタウ リンを利用しており、海洋生物の体内のタウリン量 には食物連鎖が大きく関わっている。海藻をはじめ とする海洋生物におけるタウリンの役割を解明す ることは、哺乳類やヒトにおけるタウリンの作用の 理解につながる。