著者
八隅 秀二郎 工藤 寧 栗田 亮
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.115, no.4, pp.338-349, 2018-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
48

膵癌診療ガイドライン(2016年版)で,長期予後が期待できる早期の膵癌とは腫瘍径が1cm以下と記載された.小膵癌をみつけるのに,画像検査で“腫瘤を探す”から,明らかな腫瘤が出現する前に微小な腫瘍による二次的変化である“膵管の異常を拾い上げる”にシフトし,さらなる画像検査と病理診断を行う流れが全国的に構築されつつある.早期膵癌発見に有効なバイオマーカーが存在しない現状では,小膵癌の臨床学的特徴を踏まえて対象者を囲い込んでいくスクリーニング戦略が求められている.最近の膵癌バイオマーカーに関しての論文も合わせて紹介する.