著者
長野 文彦 吉村 芳弘 嶋津 小百合 工藤 舞 備瀬 隆広 濵田 雄仁 白石 愛
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.70-79, 2019 (Released:2019-10-30)
参考文献数
40
被引用文献数
1

【目的】脳卒中患者の骨格筋量と歩行獲得との関連について調査する.【対象及び方法】2015-2016年に連続入院した脳卒中回復期患者204人を対象とした後ろ向きコホート研究.体組成分析を用いて入院時の骨格筋指数・下肢骨格筋指数を評価し,多変量解析により退院時の歩行獲得との関連を解析した.【結果】対象者は204人(平均年齢74歳,男性109人).歩行獲得に有意に関連する因子として,骨格筋指数(P<0.01)・下肢骨格筋指数(P<0.01)がそれぞれ抽出された.【結論】脳卒中患者の骨格筋量は歩行獲得の独立した予測因子であることが示唆された.脳卒中患者の骨格筋量は歩行能力の予後予測に有用であり,全症例に骨格筋量の評価が必要である.
著者
嶋津 さゆり 吉村 芳弘 上野 いずみ 工藤 舞 白石 愛 備瀬 隆広 長野 文彦 濱田 雄仁
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.149-156, 2019 (Released:2020-02-05)
参考文献数
27
被引用文献数
6

【目的】脳卒中回復期における熊リハパワーライス®の臨床効果の検討.【対象と方法】2015年から2016年に連続入院した脳卒中回復期患者204人を対象とした後向きコホート研究.物性や分量,味や匂いを損なわず,軟飯に中鎖脂肪酸とたんぱく質を混ぜ込んだ熊リハパワーライス®を用い食事管理を行った患者群と,通常の食事管理を行った患者群の単変量解析,意識状態,嚥下レベル,栄養状態,日常生活自立度(FIM運動)等,12項目の傾向スコアでマッチングした2群間の検討と退院時FIM運動を従属変数とした多変量解析を行った.【結果】対象者は204人(平均年齢73.6歳,男性109人,女性95人),脳梗塞127人,脳出血62人,くも膜下出血15人.マッチング後(両群とも38人)では,熊リハパワーライス®摂取群は非摂取群と比較して多くのエネルギーを摂取し,体重と骨格筋量が増加,退院時の常食摂取の割合が高く,FIM運動が高かった(全てp<0.05).多重回帰分析では,熊リハパワーライス®摂取は退院時FIM運動に独立して関連していた(β=.169, p=0.02).【考察】熊リハパワーライス®は脳卒中回復期における栄養改善,身体機能改善に有効である.