- 著者
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尾崎 朋文
森 俊豪
坂本 豊次
竹中 浩司
湯谷 達
米山 榮
松岡 憲二
巽 轍夫
吉田 篤
北村 清一郎
- 出版者
- 社団法人 全日本鍼灸学会
- 雑誌
- 全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.4, pp.413-420, 2002-08-01 (Released:2011-03-18)
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
-
2
1
遺体解剖と、健康人生体での臨床所見・CT画像より、膏育穴刺鍼の安全深度を検討した。遺体所見では、両膏育穴への刺入鍼は第5肋間に位置し、左側の肋骨の厚さは10mm、体表-胸膜 (肋骨後面) 間距離は44mmであった。健康学生104名の膏盲穴での体表-肋骨前面間距離の最小値は肥満男女以外の体型で14mmであった。標準型・やせ型男性のCT像では、刺入鍼は1側で肋間に、3側で肋骨に達した。肋骨の厚さは各々10.9mm・9.8mm・8.8mmで、体表-胸膜間距離は各々33.6mm・28.4mm・29.4mm・31.8mmであった。以上の結果から、肋骨の厚さと体表一肋骨前面間距離の最小値より勘案すれば、極端なやせ型を除き、19mmまでの刺鍼は、外傷性気胸を起こす可能性は皆無に近く、安全と考えられる。換言すれば、19mm以上の刺鍼では、外傷性気胸を起こす可能性が高まることに留意する必要がある。