著者
宗澤 良臣 大崎 紘一 梶原 康博 巽 雅彦
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.36-45, 2003-04-15

本研究では, 廃家電品の回収方法として, 家庭において分解, 分別を行い部品, ユニット毎に排出する分散分解を提案する.分散分解により, 集積場所には鉄, 銅, アルミニウムを多く含むグループに分別された部品等が集積されるため, 以降のリサイクルセンタで行われる分解, 分別の作業量の低減が可能となる.このことを説明するために, 廃家電品の排出以降の流れについて, 現在の回収方法と分散分解についてモデル化を行う.さらに, 家庭における分解, 分別を効率的に行うため, 部品に分解グループ, 分解箇所の表示を行うなどする分解ガイドラインを提案する.適用例では, 岡山市が平成13年4月から10月に戸別回収により回収した廃棄物一覧を基に従来の回収方法と分散分解を行った場合の作業量の比較を行った.その結果, 我々の試算では, 従来の回収ではリサイクルセンタにおいて9,238作業発生するのに対して, 提案法では廃家電品を排出する298家庭が30作業を分担すればリサイクルセンタでの分解, 分別はなくなった.また, 分解ガイドラインの情報の違いによる作業量の変化, 分別の誤りを実験により調べた.