- 著者
-
大西 敏美
市原 多香子
- 出版者
- 国立大学法人 香川大学医学部看護学科
- 雑誌
- 香川大学看護学雑誌 (ISSN:13498673)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.1, pp.53-64, 2020-03-30 (Released:2020-04-02)
- 参考文献数
- 75
我が国における救急看護に関する研究の動向を知り,今後の救急看護領域における課題を検討することを目的とする.2009年から10年間で検索を行い,原著,症例検討,一般による文献検討を行った.523件を分析対象とし,山勢らの研究と比較するため,山勢らが用いたテーマ,【病態や処置の解説】【救急看護教育】【救急看護の専門性】【救急看護ケア】【その他】と,追加した【看護管理】に分類した.【病態や処置の解説】は減少し,【救急看護ケア】が増加していた.研究内容は,フライトナース,トリアージに関する文献が急増していた.フライトナースに関しては,複数施設あるいは,全国規模でフライトナースを対象として,継続教育も含めた教育体制の確立,心理的サポートの充実が必要と考えられた.トリアージに関しては,トリアージ能力の向上,トリアージ判定の事後検証システムの確立,その検証結果のフィードバック体制の構築やシミュレーションなどの勉強会を定期的に行うシステムの確立が求められた.家族援助では,看護師に対する終末期ケアの教育が示唆された.