著者
吉川 裕之 八杉 利治 沖 明典 角田 肇 川名 敬 市川 喜仁
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.臨床応用の第一歩として・ボランチア13名にこのL2ワクチンを経鼻的に投与する第I/II相試験を行い、VLP抗体および中和抗体の上昇を確認するとともに、安全性を確認した。このL2ワクチンは、最も型共通性でかつウイルスの細胞内エントリーに最も重要な役割を有する領域のペプチドである。pacebo3名、0.1mgが5名、0.5mgが5名にアジュバントなしで経鼻接種され、0.5mgの群の4名においてHPV16とHPV52のL1/L2 VLPに対する中和抗体が誘導され、有害事象はなかった(Vaccine,2003)。2.ワクチン接種の対象者や適応・end pointを決める上でHPV感染からCIN発生、CIN進展に関わる研究を行った。HPV16/52/58のうち複数のVLP抗体を有する場合にCINになりやすく、HPVの1つの型に抗体を有しても他の型の感染やそれに引き続くCIN発生を抑制しないことを示した(J Med Vjrol,2003)。3.HPV16陽性のCINと子宮頸癌において、E6塩基配列のvariationとHLA Class II allelesを検討し、E6 prototypeではDRB1^*1501とDQB1^*0602、D25E(アジア型)ではDRB1^*1502、L83V(ヨーロッパ型)ではDQB1^*03032が有意に高頻度であった(Int J Cancer,2003)。